8mgの小説ブログ

WEB小説(ちょっと挿絵)のブログです。ブログ形式だと順番的に少し読みにくいかもですが、一章ごとに完成したら、別サイトにアップしたいと考えています。※このサイトはリンクフリーです。

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WEB小説『画面の向こうのプロレスラー』をメインで更新中!ちょっとアレな性格の女子レスラーの成長物語ですm(_ _)m

WEB小説 拡張された世界 〜第一章20〜

17式が持つ4門のバルカン砲のうち、3門がこっちに向かって火を噴く。

 

ブォァァァァーーーーーーーーーー!!

 

しかし、エムズはこれまでにないような巧みな動きで、その後集中砲火を寸前の所でかわし続ける。

 

「すごいな!バルカンの軌道を予測表示してくれるのか!?」

 

モニターには、次にどのような攻撃が来るのかを秒単位で詳細に線表示してくれており、機体をどの位置に動かすかも矢印で表示してくれている・・・

もう完全に17式は丸裸状態だ。

 

「17式の行動パターンはほぼ100パーセントに近い程把握しております!ですが、向こうも自立AIを搭載した兵器ですので、そろそろ行動が読まれていると把握する頃でしょうか?」

 

「どういうことだ?」

 

「こっちの攻撃が読まれていると認識して、行動パターンを変えて来るかと思われます。」

 

アリスの言う通り17式は、誘導機能を搭載していない近距離迎撃ミサイルとバルカン砲を織り交ぜながら攻撃して来る・・・

そのミサイルの一発が、エムズの右後ろ足に命中する。

 

ダァァァァァァォーーーンッッ!!

 

「ほらね!」

 

「ほらねじゃねーよ!!??どうすんだアリス!?機体バランス・・・ってアレ?」

 

「大丈夫です。残りの3本の足だけでも充分に機体は支えられます!それに相手がパターンを変えてきたのなら、今度はさらにその先を読むだけです!」

 

「頼もしいな、お前は!じゃあ一気に近づくぞ!右腕だけは完全死守!」

 

「はい、マスター!」

 

エムズの右腕のショットガンは残弾1・・・最後の一発は有効的に使わせてもらう。

 

キュ、イイィィィィィィーーーィィィーーーン!

 

エムズの脚部は、それぞれの足を折りたためたり、位置を360°調整する事が出来る。着弾して破壊された脚を切り離し、前足二本、後ろ足一本という、三角形の位置取りで機体を支えながら、17式に向かって突撃する・・・

 

「よし、ジャンプだ!!」

 

17式にいよいよ距離50mまで詰めた手前、エムズを二足モードに変形させ、残量の少ないブースターを全開にして地上から大きくジャンプさせた・・・

 

「最後の一発はこうやって使うんだよ!!」

 

17式のバルカン砲が、ジャンプしたエムズを狙おうと砲門を動かせた瞬間、それよりも早く、エムズの右腕ショットガン・・・最後の一発を使用した。

 

バァァァシュゥゥゥゥァァァァーーーーッ!!

 

17式の頭上に広がる大きな爆発と煙・・・エムズの右腕を暴発させたのだ。

暴発させるため、右腕ショットガンの銃口に詰めたのは、さっきの作戦で使った煙幕だ。

・・・つまり、狙いは17式本体ではなく、17式の対象補足機能をかく乱させる事にあったのだ。

 

シュゥゥゥゥァァァァーーーーッ!!

 

辺り一面覆い隠す程の煙幕が立ち込めるが、17式や付随列車は走行しているので、立ち込めている煙幕から抜けるのも、さほど時間が掛からなかった・・・

 

・・・煙から抜けた17式とその前の付随車両・・・

 

・・・17式のバルカン砲が、360°クルクルと回転しながら、エムズの機体をサーチしている・・・

 

 

「おーい、ここだぞ!!」

 

「こっ、コラ!マスター!見つかっちゃいますよ!」

 

「ウンっ!!でも、大丈夫!もう既にチェックメイトだからな!!」

 

「そうですね!それじゃあ、解除しますか?」

 

「ああ・・・そうしてくれ!」

 

「はい!!ステルスコーティングを解除します!!」

 

 

・・・エムズのステルスコーティングが解除され、そのボロボロになった機体が現れてくる・・・

 

・・・その現れた場所は、17式の前方、付随車両・・・上半分が吹き飛ばされ野ざらしになった車両土台の上に乗りかかるような状態でエムズは姿を現わす。爆音と煙幕、そしてステルスコーティングの三段構えで17式のサーチ機能を回避した。

 

そして、既にエムズのケーブルと付随車両の土台とを繋いでいる状態・・・

 

俺達の作戦・・・ブライアさんと考えた作戦の狙いは、17式ではなく、その前方の付随車両だった。前方車両の土台とエムズとをケーブル回線で繋いで、付随車両土台の上に作られている『空間拡張』に対して干渉プログラムを投下する事・・・これが作戦の最重要項目だった・・・