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8mgの小説ブログ

WEB小説(ちょっと挿絵)のブログです。ブログ形式だと順番的に少し読みにくいかもですが、一章ごとに完成したら、別サイトにアップしたいと考えています。※このサイトはリンクフリーです。

WEB小説『拡張された世界』更新中:バッドエンド後の未来を舞台とした主人公♂とそのアシストロボット♀とのイチャラブSF小説ですm(_ _)m

WEB小説 拡張された世界 〜第一章18〜

お話メイン(第一章)

対犯罪者用戦闘重兵器車両EMZ-03(エムズ)・・・損傷率74%の現状だけあって流石に機体の至る部分で、不具合が生じている。

 

「その不具合を踏まえた上でシステム構築してますから、心配御無用です!」

だが、アリスからは頼もしい返事が返ってくる。

 

「マスター、左右に走らせてみて下さい!」

アリスの指示通りに機体を左右に旋回させながら移動してみる。

 

「すげぇぇぇーーッ!なんだろう・・・ぬるぬる動く!」

 驚く事に先程までとは、全く別の機体反応を見せてくれる・・・

 

「次のモーションに移る迄の待機時間を、限りなくゼロに近付ける為、予め動きをフライングさせています!」

 

「ちょっと待て!それって、俺が次にどう動かすか予測してるのか?」

 

「はい、先程の戦闘時に収集したマスターの行動操作パターンを基に予測演算させています。」

 

・・・つまりは、予測微行動システム・・・先回りした行動を機体に自動的にさせている訳か・・・

 

「それに、なんだ!この画面は!?」

 

モニターには、画面を覆い隠してしまうような文字情報が溢れている・・・先程までとは全く違う、モニターに映る対象物の様々な情報をリアルタイムで書き出すシステムだとアリスが説明してくれた。

 

「何処からこんな情報を!?」

 

「レールライン本社、周辺の住基管理システム、オーグセキュリティ・・・などに現在ハッキングをかけて、あらゆる情報をこのエムズに集積しています!」

 

何か大変危険な事をしているような気がするが、状況が状況なだけに許してくれるはず・・・だと思う・・・

 

「・・・それにですね!マスターの呼吸や息づかいに合わせた操作性能、マスターの体調、筋肉の硬直具合、柔軟度に合わせた機体反応をチューニングしています!」

 

「・・・アッ、アリス・・・お前・・・」

 

何から何まで至れり尽くせりのシステムをアリスは作ってくれたようだが・・・

 

「でも、呼吸や息づかいって?何処でそんな計測してるんだ!?」

 

「はい、マスターの心拍を計測する為に、こうして密着してるんですよ!いくら密着してるからと言って、エロい事考えないで下さいね!」

 

「てっ!・・・てめぇ・・・じゃあ、俺の体調って言うけど、そんなのわかんのか!?」

 

「さっき、ヘッドギア付けてたじゃないですか〜!?計測させてもらいました!!」

 

アリスには自立AIを搭載させている。

加えて、俺の恩師、永森博士から託されたバックアップメモリーも取り付けているが、それによる演算処理能力の強化だけが、そのメモリーの効果ではなく、何かとてつもない可能性を秘めているように思えた。

 

「お前が凄いってことは・・・よ〜くわかったよ!わかったけど、お前・・・管理者の俺が知らない所で、ちょくちょくチューンナップしてるよね・・・!?」 

 

「はてっ・・・?なんの事でしょうか!?ヨクワカリマセン・・・」

 と、バレバレの嘘をつくアリスをポンと小突く。まあ、こいつのこの向上心が助けになる場合もあるが、永森博士から託された研究が、このアリスなのだから、俺はもっと向上してアリスを管理する・・・見守っていく使命がある。

 

「アリス・・・こんなボロボロになった機体でも、俺はお前といると・・・負ける気がしないんだ。」

 

「はい、私が必ずマスターを勝たせてみせます!!その為の私ですから!!」

  

「ああっ!生きて帰って、祝杯をあげようぜ!」

 

「はい、マスター!!」

 

暴走する列車・・・17式に追いつく為にエムズを加速させる。機体の右腕は吹き飛ばされ応急処置だけ施したガタガタの機体だったが、スピードは落ちていない。

 

「ところで、マスター!?そろそろ出られてはどうでしょうか?」

 

「・・・あぁ。そうだな・・・」

 

出るとは、先程から何回も何回も通信が入っている事・・・ガン無視を決め込んでいたが、通信先の相手はわかっている・・・

 

「こちら、エムズ一号機!!」

 

『  悟  !  !  !  』

 

通信に出た途端・・・オーグセキュリティE-03部課長、俺の大学時代の友人、笠原晶子から間髪入れずに怒られる・・・先程のデジャブのようだった。

 

「やっ、やぁ・・・久しぶり!」

 

『やぁじゃない!!悟、あなたがやろうとしている事、今すぐやめなさい!!』

 

彼女にはガン無視していたので無理もないが、かなり御立腹の様子・・・

 

「ブライアさんは無事だから、心配しないでくれ!」

 

『知ってる!!言いたいのは、民間人のあなたが勝手にオーグセキュリティの所有機体を操作して動かせている事・・・自分が何をしてるのか、わかってるの!?』

 

「あぁ、わかってる!!晶子、お前を助けようとしてるんだ!17式・・・お前らとドンパチやったら自爆するぞ!」

 

『ブライアから聞いたわ。今、私もそちらへ向かってる。だから、余計な事しないで!』

 

「いいや、それは出来ない!君ら03部は電脳系事件を主に扱う部署みたいだけど、元研究員の俺から言わせれば、まだまだ素人だ。対機械系スキルは、俺やこいつアリスの足元にも及ばないぞ!」

 

 『何をするつもりなの?』

 

「自爆もさせず、被害も最小限に抑えて事件を解決してみせる!俺とアリスとでな!」

 

 『それでも駄目なの!悟・・・あなたはあくまで民間人でしょ!!そんなの許されない!!』

 

「許してももらおうとは思わない・・・でもな、ブライアさんから頼まれたんだ。お前の力になってくれって!!」

 

 

・・・・・・・・・・・・・

 

・・・17式への1回目のアタック前・・・

湖の真ん中で待ち構えていた時・・・

 

「ブライアさんは何故、オーグセキュリティに入ったんですか!?」

ブライアさんの経歴について以前話をした事もあったが、深くは聞いた事がなかった。

 

「確か、オーグセキュリティに来る前は、施設警備会社でしたよね?」

 

「そうだ!まぁ、その会社は今のオーグセキュリティに入る準備段階みたいなものだったかな。」

 

「そうでしたか・・・じゃあその前は?」

 

「オーグアーミー地球方面軍に所属していたんだ。」

 

・・・オーグアーミーとは、この世界の軍隊機関のような存在だ。治安維持、災害処理、そして軍事行動といったオーグセキュリティとはまた違う役割を担う機関だった。しかし、所属隊員の95%が機械、ロボットであり、残り5%が擬態化した人間に構成されていたが、その5%の中にブライアさんが含まれていたとの事だ。

 

「オーグアーミーでは、俺達のような人間は宇宙に上がらせてもらえなかった。毎日ただ宇宙から送られてくるエアコンや空気調整機の修理ばかりしていたよ。あの時までは・・・」

 

「あの時って・・・ッ!!エリア22暴動事件の事ですか?」

 

「そうだ。」

 

・・・エリア22暴動事件・・・

今から3年前、地球上、リアース 22-16から19エリアの広範囲の地域で起きた大暴動事件である。

エリア22は元々リアースによる地球の統治管理に反抗的な地域であったが、ある時同時多発テロが起こり、それを発端に他の地域からも反リアース的な組織が集まってくるようになった。そして、その流れは一気に地域住民の蜂起にも繋がり、リアース統治以降最大の暴動事件が発生したのである。

 

「あの時、俺達地球方面軍は16から19迄のエリアを完全封鎖するようにと命令を受け、それに従った。何百キロに及ぶバリケードがはられ、中からも外からも虫一匹も通すなという命令だった。」

 

「その後、何があったんですか?」

 

「宇宙にから、黒いカーテンが落ちて来たんだ。」

 

・・・ブライアさんの説明によると、その言葉通り・・・バリケードの内側に向けて宇宙から黒いカーテンのような物体が降ろされたそうだ。