8mgの小説ブログ

WEB小説(ちょっと挿絵)のブログです。ブログ形式だと順番的に少し読みにくいかもですが、一章ごとに完成したら、別サイトにアップしたいと考えています。※このサイトはリンクフリーです。

WEB小説『拡張された世界』更新中:バッドエンド後の未来を舞台とした主人公♂とそのアシストロボット♀とのイチャラブSF小説ですm(_ _)m

WEB小説 拡張された世界 〜第一章17〜

 

「アリス!ワイヤーを引いてブライアさんを回収!!」

 

「はい!」

 

エムズとブライアさんを繋いでいたワイヤーを巻き上げ、ブライアさんを車両から引き落とす・・・転げるように車両の外に放り出されたブライアさんの身体はそのまま湖に向けて引きずられていく・・・

 

「ブライアさんの所へ急ぐぞ!」

 

「はい、マスター!」

 

それから17式のレーダーに捕捉されないよう距離を調整しながらエムズを動かし、ブライアさんを回収する。

 

・・・ 湖の畔で横たわったブライアさんを介抱する為、俺とアリスはエムズを降りた。

 

「ブライアさん!」

 

「よぉ・・・修理屋・・・」

引きつった表情で挨拶するブライアさんだか、喋っているのが奇跡な程、その状態が酷かった。彼の左胸より下がごっそり無くなっていたからだ。

 

「修理屋・・・擬態の体はいいぞ・・・こんな状態でも、電脳さえやられてなければまだ生きている・・・」

 

「わかりました!わかりましたから、考えておきます!!支局に連絡して救護班も呼んでます。到着するまでの間応急処置しますので、じっとしてて下さい!」

 

擬態化された人間の体は、表面は人の皮膚細胞で覆われているものの、内部のほとんどは機械で構成されている。

内部機器の破片やケーブルの切断等で無残な状態になっているが、外せる所は外し、繋げる所は繋ぐ・・・これをするだけでも、暴発の恐れや体内電流の不全を解消する事が出来る。

 

俺とアリスは、エムズのコクピットに乗せてあった処置道具を使い応急処置に取り掛かる。

 

「修理屋・・・作業しながらでいいから、聞いてくれ・・・」

 

「わかりました!」

 

「・・・さっきのあの車内の老夫婦は、中富博士と彼の奥さんだ・・・後、17式の制御コンピュータには、中富博士の電脳が移植されている・・・」

 

「えっ!!!???」

 

「限定拡張された車両内に入ってみたらわかった・・・中富博士の意思が伝わってきたように思う・・・」

 

ブライアさんが言うように、限定拡張された空間に実際に入る事により、その演出元の意識や思いをごく僅かに共有出来る事がある。

ブライアさんの電脳と17式に搭載された中富博士の電脳とが限定拡張を通して共鳴したと考えられる。

 

「後・・・中富博士はあの時、奥さんと何か話をしていただろう・・・あれは、この旅が終われば、一緒に行こうって言っていた・・・」

 

「行くって・・・何処へですか!?」

 

「おそらく・・・列車の暴走が止まったら・・・17式は自爆するつもりだ・・・」

 

「えぇぇ!!!!!」

 

ブライアさんは車両内に入って、中富博士の色々な意思を読み取ったに違いない。その中から、今必要な事を掻い摘んで話してくれる。

 

「・・・だから、修理屋・・・頼みがある・・・笠原課長達を守ってくれ・・・」

 

「もちろんです!」

 

「今から・・・作戦を伝える・・・」

 

 

・・・・・・・・・・・・・

 

 

・・・ブライアさんに一通りの応急処置を施した。

 

「ブライアさん、待っていて下さい!必ず勝利の報告を届けてみせます!」

 

「・・・あぁ・・・でも、こんなこと民間人にやらせるわけにはいかないんだけどな・・・任せた・・・」

 

ブライアさんはそのまま目を閉じて休む・・・擬態とはいえ、体への外傷は電脳に大きな負荷を与えていたのにもかかわらず、気力でここまで作戦を伝えてくれた・・・そして、俺に託してくれたのだから、ここは何としてもやり切らなければならない。

 

「アリス!!」

 

「はい、マスター!」

 

「今から、エムズに乗り込んで、もう一度17式にアタックを仕掛けるんだけど、勝利確率を計算してもらえるか?」

 

「はい!ズバリ4%です!」

 

「ヘっへ・・・やるじゃん!ゼロじゃないんだな!?」

 

「はい、現在の機体損傷率や装備状況、17式の武器スペックから割り出した確率です!」

 

・・・4/100とは、ちょっとどころの厳しさではないが、17式が自爆しようとしている事を考えると、この場を引くなど選択肢にはない。

 

「マスター!!」

 

「なんだ、アリス!?」

 

「確かに4%と言いましたが、この確率を100%まで上げてみせましょうか?」

 

「はぁっ!?」

一瞬、アリスが何を言ってるのかわからなかった。

 

「だから!私がマスターに勝利をもたらせましょうかと言う事です!」

 

「お前・・・すごい自信だなぁ・・・?」

 

「私はマスターのアシストロボットです!だからマスターを勝利へ導くのは当然の事です!」

 

ロボットだからかもしれないが、アリスはなんの躊躇いもなく勝利を確信したような口調で俺に問いかける。そして、手を差し伸べてくる・・・そんな光景は、天使に手を引かれているのか、死神に魂を吸われているのかのどちらかわからなかった・・・どちらにしても死ぬという事なのか・・・

 

「アリス、何の根拠もないけど、お前の提案を受け入れるよ!!俺を勝利へ導いてくれ!!」

 

「はいっ!マスター!」

 

・・・そして、俺とアリスはエムズに乗り込んだ。向かうは第17式機動装甲列車だ。

 

「で、具体的にどうするつもりなんだ!?」

 

 「はい、先程の戦闘で、マスターのパイロットとしての基本情報はラーニングしました!機体を動かす時のクセも含めてです。」

 

「うん・・・それで・・・?」

 

「その情報を元に機体のシステム系統を一新します!このエムズをマスターと私だけの機体にするんです!」

 

それからアリスの説明によると、俺のパイロットとしての腕前、クセ、スキルに合わせた操作機能にシステムを変換し、最大限の効率、効果を発揮する為のシステムナビゲートを構築すると共に、エネミー解析による予測演算を行う事だった。今ひとつよくわからなかったが、試してみればわかるだろう。

 

「マスター、失礼します・・・」

 

その後、突然アリスがコクピットに座る俺の膝の上に座ってきた。

 

「おい・・・アリス・・・何やってんの?」

 

「マスターの目線に一番近い場所から情報を観測する為です!これだけでも、性能はグンと上がるんですよ!」

 

「ま、まぁ、わからないでもないけど・・・お前の頭が邪魔で見え辛いんですけど・・・!?」

 

「えっ?ちょっと待って下さい!」

 

「おいっ!ゴソゴソと動くなっ!おいっ!」

 

「ひぃゃっ!マスターのエッチ!!」

 

「てめぇ・・言わせておけば!!!」

 

 ・・・今から死地へ向かおうというのに、こんな所でイチャイチャしている場合ではない・・・

 

「これでいいだろ!?」

 

「はいっ!」

 

「じゃあ、行くか!!」

 

「はい、マスター!」

 

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・・・向かうは第17式機動装甲列車・・・俺達はエムズは発進させる・・・