WEB小説 拡張された世界 〜第一章04〜
「着いたな!」
「着きましたね!マスター!」
眼前に広がるのは、オーグセキュリティE…この世界の警察機関のひとつだ。
地球上07-17エリアを統轄する警察機関だけあって、建物の規模はとてつもなく大きい。統括する部の種類も多岐に分類化され、犯罪者の拘留施設も内部には存在するこのオーグセキュリティEは、地上30階 地下20階・・・まるで都市のような大規模施設となっていた。
「広いな!」
「広いですね!マスター!」
オーグセキュリティEの内部は吹き抜け構造になっている。そして、その巨大な吹き抜け空間の中心部には、大きな球体型の建物が威圧感を放っており、中枢機関とコアシステムコンピュータ、制御フロア等が位置している。
「広いですね!マスター!」
オーグセキュリティEの内部は吹き抜け構造になっている。そして、その巨大な吹き抜け空間の中心部には、大きな球体型の建物が威圧感を放っており、中枢機関とコアシステムコンピュータ、制御フロア等が位置している。
「アリス、お前がここに来るのは初めてだったよな?」
「はい、マスター!私の本体がここオーグセキュリティEに入るのは初めてです!
・・・ですが、ここの交通情報統治データベースがかなり使いやすく、よくナノマシーンを侵入させデータベースから情報を頂いています(^_^キリッ!」
とりあえず、今の話は聞かなかった事にしようと俺は決めた・・・にしても、オーグセキュリティ・・・警察機関が、この少女ロボットの手先に度々侵入を許してザル警備なの?”セキュリティ”って名乗ってもいいの・・・?
俺は何も知らなかったんだ、俺には関係ない話だ、でも捕まるのは・・・俺だ!
「アリス…」
「はい、どうしましたかマスター??」
「とりあえず、ナノマシーンを侵入させるのは禁止!後、他にも公共施設への侵入は、仮にどうしても必要な時はまず俺に相談しないさい!後、絶対に捕まらない、足跡を残さないように!」
「了解です!マスター!」
球体型の建物の四方を50階建のビルが覆う構造のオーグセキュリティE・・・その東の外れに今回の依頼者、大学時代の同級生…笠原晶子が務める03部が存在する。
03部は主に電子系の事件対策を担うカテゴリーに位置する。強行犯係のような危険な任務も多いらしく、現在支給されている武器・装備では心もとないと言うのが実情らしい。また、装備品の向上申請を出しても認可されないのが殆どで、その背景には人間に高性能の武器を持たせないようにするこの世界を統轄するコンピュータ『リアース』の意向が働いているそうだ。
「だから、私達は今ある装備で何とかしなくちゃいけないの!!私達がどれだけ大変なのか、わかるでしょっ、悟!!」
長い審査の後に03部へ入った俺とアリスの元に、入館一番話し掛けてきたのは、オーグセキュリティE-03部の捜査官主任課長を務める笠原晶子だった。